『鬼滅の刃』は、家族の絆や仲間との友情を描いた、胸が熱くなる物語です。ですが、ページの隅々まで読み込んでいくと、思わず背筋が冷たくなるような設定があちこちに隠れています。
しかも、その多くはネット上の噂ではなく、原作や公式ファンブックで描かれている「公式の設定」です。作り話ではないからこそ、余計に怖いのかもしれません。
この記事では、筆者が原作を読み返して「これは怖い」と感じた裏設定を7つ選びました。怖さの種類もさまざまなので、ひとつずつ見ていきたいと思います。
※当サイトの信憑性ラベル:「公式確定」は原作・公式ファンブックなどで明示されているもの、「考察」は根拠はあるものの推測の段階のもの、「根拠の薄い噂」は作中に裏付けが見当たらないものです。
※この記事は、原作最終巻までの重大なネタバレを含みます。
この記事で紹介する怖い裏設定
- 無惨が鬼になったのは、医者を殺したせいだった
- 累の「家族」は、顔を変えさせた他人だった
- 珠世は、鬼になった直後に自分の家族を手にかけていた
- 最終選別の山の鬼は、鬼殺隊が集めたものだった
- 黒死牟が斬ったのは、自分の子孫だった
- 痣が出た剣士は25歳までに死ぬ
- 炭治郎は最終決戦で鬼の王にされかけた
①無惨が鬼になったのは、医者を殺したせいだった
すべての鬼の始まりである鬼舞辻無惨。彼が鬼になった理由は、あまりにも身勝手なものでした。信憑性ラベル:公式確定
平安時代、無惨は20歳まで生きられないと言われるほど体の弱い青年でした。彼を治そうとした善良な医者が、新しい薬を試していきます。
ところが、なかなか体が良くならないことに腹を立てた無惨は、その医者を殺してしまいます。実は薬は効き始めていて、医者の死後、無惨は人間を超えた強い体を手に入れました。ただし、太陽の光を浴びると死に、人の血肉を求める体になって。
もし無惨があと少し待っていれば、薬は完成し、鬼は生まれなかったのかもしれません。千年にわたる悲劇のすべてが、たった一度の短気から始まった。それが、この物語でいちばん怖いところだと筆者は感じています。
②累の「家族」は、顔を変えさせた他人だった
那田蜘蛛山で炭治郎たちを苦しめた下弦の伍・累。彼は「家族」と一緒に暮らしていましたが、その正体はゾッとするものでした。信憑性ラベル:公式確定
累の家族は、本当の家族ではありません。累は、自分より弱い鬼たちに血を分け与えて力を与える代わりに、「父」「母」「兄」「姉」の役を演じさせていました。顔や姿まで、自分の力で家族らしく変えさせていたのです。
役割をうまく果たせない「家族」には、容赦ない罰が与えられました。
本当の両親を手にかけたのは累自身
さらに悲しいのは、累の本当の両親の最期です。体の弱かった累は、無惨によって鬼にされます。人を喰うようになった息子を止めようとした両親を、累は自ら殺してしまいました。
両親は、息子に罪を重ねさせないために、一緒に死のうとしていた。そのことに累が気づいたのは、すべてが終わったあとでした。本物の絆を自分の手で壊してしまったからこそ、累は偽物の家族にしがみついていたのです。
③珠世は、鬼になった直後に自分の家族を手にかけていた
鬼でありながら炭治郎たちの味方になる、優しい医者の珠世。しかし彼女にも、あまりに重い過去がありました。信憑性ラベル:公式確定
珠世は人間だった頃、病気にかかっていました。成長していく子どもの姿を見届けたいという思いにつけこまれ、無惨によって鬼にされます。
鬼になった直後、珠世は人を喰う衝動を抑えられず、夫と子どもを喰い殺してしまいました。
生きたいと願ったのは、家族と一緒にいたかったから。その願いが、家族を失う結果になった。珠世が長い年月をかけて無惨を倒す方法を探し続けたのは、この罪を背負っていたからです。
④最終選別の山の鬼は、鬼殺隊が集めたものだった
鬼殺隊に入るための試験「最終選別」。その舞台となる藤襲山には、たくさんの鬼が閉じ込められています。信憑性ラベル:公式確定
実はこの鬼たちは、鬼殺隊の剣士が生け捕りにして山に集めたものです。山のまわりには鬼の嫌う藤の花が咲き乱れていて、鬼は外に出られません。
つまり鬼殺隊は、若い剣士を試すために、あえて鬼を飼っていたことになります。
手鬼が狙い続けた鱗滝の弟子たち
この山には、ひときわ長く生き延びていた「手鬼」がいました。手鬼は、自分を捕まえた鱗滝左近次を恨み、その弟子たちを狙って次々と喰らっていました。錆兎や真菰も、その犠牲者です。
鱗滝が弟子に贈っていた厄除の面が、手鬼にとっては「鱗滝の弟子」を見分ける目印になっていた。弟子の無事を祈って彫った面が、逆に命を奪う原因になっていたのです。
⑤黒死牟が斬ったのは、自分の子孫だった
上弦の壱・黒死牟は、人間時代の名前を継国巌勝といいます。日の呼吸の使い手・継国縁壱の双子の兄です。信憑性ラベル:公式確定
無限城での戦いで、黒死牟は霞柱・時透無一郎と対峙します。そこで明らかになったのは、無一郎が黒死牟の子孫だという事実でした。
黒死牟は、自分の血を引く少年に「鬼にしてやる」と語りかけながら、容赦なく追い詰めていきます。家族を捨てて鬼になった男が、何百年も後に自分の子孫と刃を交える。血のつながりがまったく救いにならない、残酷な巡り合わせです。
⑥痣が出た剣士は25歳までに死ぬ
物語の後半、柱たちは体に「痣」を発現させ、身体能力を大きく引き上げていきます。しかしこの力には、恐ろしい代償がありました。信憑性ラベル:公式確定
痣が出た剣士は、25歳を迎える前に命を落とすとされていたのです。
この事実を知ったうえで、柱たちは迷わず痣を出して戦いに挑みました。未来を差し出してでも、今ここで鬼を倒す。その覚悟を思うと、柱稽古の明るい場面さえ切なく見えてきます。
ちなみに、痣を出しながら例外的に長生きした人物もいます。それが誰なのか、なぜ例外だったのかは、ぜひ原作で確かめてみてください。
⑦炭治郎は最終決戦で鬼の王にされかけた
無惨との最終決戦。夜明けとともに無惨を倒し、物語はハッピーエンドへ……と思った瞬間、最後の悪夢が待っていました。信憑性ラベル:公式確定
無惨は消える直前、自分の血と力のすべてを炭治郎に注ぎ込みます。炭治郎は鬼になり、無惨の意志を継ぐ「鬼の王」になりかけてしまうのです。
鬼を倒すために戦い続けてきた主人公が、最強の鬼になって仲間に襲いかかる。連載当時、この展開に悲鳴を上げた読者は少なくありませんでした。炭治郎を人間に戻したものは何だったのか、その結末は、ぜひ原作で見届けてください。
ファンの間で語られる「答えのない謎」
公式設定とは別に、作中ではっきり答えが出ていないため、ファンの間で考察が続いている謎もあります。
| 謎 | 分かっていること | ラベル |
|---|---|---|
| 無惨はなぜ竈門家を襲ったのか | 炭治郎は家に残った無惨のにおいに気づいているが、竈門家を狙った理由は作中で明かされていない | 考察 |
| 鬼は人間だった頃の記憶をすべて失うのか | 記憶は薄れていくが、猗窩座や堕姫・妓夫太郎のように、心の奥に何かが残っていた鬼も描かれている | 考察 |
特に「鬼は人間の記憶を失っても、何かが残っている」という点は、この作品の大きなテーマです。猗窩座が女性を決して喰わなかった理由にもつながっています。
☆☆ 猗窩座の過去が切ない|人間時代「狛治」と恋雪の物語、技名が花火に由来する理由
なぜ鬼滅の刃の裏設定はこんなに怖いのか
7つの裏設定を並べてみると、共通点が見えてきます。それは、怖さの根っこに「誰かを大切に思う気持ち」があるということです。
家族と生きたかった珠世、家族がほしかった累、弟に追いつきたかった黒死牟。鬼たちの多くは、もともとはごく普通の願いを持った人間でした。その願いがねじれたとき、恐ろしい鬼が生まれる。
だからこそ『鬼滅の刃』の怖さは、ホラー映画のような一瞬のゾッとする感覚ではなく、読み終わったあとまでじわじわと残るのだと思います。
よくある質問
鬼滅の刃の怖い話は公式設定ですか?
この記事で紹介した7つは、すべて原作や公式ファンブックで描かれている公式設定です。一方、ネット上には根拠のはっきりしない噂もあるので注意してください。
無惨はなぜ鬼になったのですか?
平安時代、病弱だった無惨を治療していた医者の薬が原因です。薬の効き目が出る前に、無惨は怒って医者を殺してしまい、薬は未完成のまま鬼の体になりました。
時透無一郎は誰の子孫ですか?
上弦の壱・黒死牟(継国巌勝)の子孫です。無限城での戦いで明かされます。
痣が出ると本当に25歳で死ぬのですか?
作中では、痣が出た剣士は25歳を迎える前に死ぬとされています。ただし、例外となった人物も登場します。
まとめ
- 無惨:医者を殺したせいで、未完成の薬のまま鬼になった(公式確定)
- 累:顔を変えさせた他人を「家族」にしていた(公式確定)
- 珠世:鬼になった直後に夫と子どもを手にかけた(公式確定)
- 最終選別:山の鬼は鬼殺隊が生け捕りにして集めた(公式確定)
- 黒死牟:無限城で自分の子孫・無一郎と戦った(公式確定)
- 痣:発現した剣士は25歳までに死ぬとされる(公式確定)
- 炭治郎:最終決戦で鬼の王にされかけた(公式確定)
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