いつもにこにこ笑っていて、誰にでも優しく話しかける。それなのに、鬼滅の刃でいちばん怖いのは童磨だ、という声は少なくありません。
その理由は、彼が残酷だからというより、悪意すら持っていないからです。人を喰うことを、心から「救済」だと思っている。そこに怒りも憎しみもありません。
この記事では、上弦の弐・童磨の過去を順にたどりながら、なぜ彼がああなってしまったのかを解説します。猗窩座とは正反対の「空っぽな鬼」の物語です。
※当サイトの信憑性ラベル:「公式確定」は原作や公式ファンブックで明示されているもの、「考察」は根拠はあるものの推測の段階のものです。
※この記事は、無限城編の重大なネタバレを含みます。
この記事で分かること
- 童磨は新興宗教「万世極楽教」の教祖夫妻の子として生まれた(公式確定)
- 神の声など一度も聞こえていなかった(公式確定)
- 両親の壮絶な最期を見ても、何も感じなかった(公式確定)
- 20歳のときに無惨と出会い、鬼になった(公式確定)
童磨の過去①|「神の子」として育てられた少年時代
童磨は、新興宗教「万世極楽教」の教祖夫妻の子として生まれました。信憑性ラベル:公式確定
生まれつき白い髪と、虹色がかった不思議な瞳。その珍しい容姿と高い知性から、両親と信者たちは彼を「神の声が聞こえる子」として祭り上げます。
神の声など、一度も聞こえなかった
しかし当然ながら、童磨に神の声など聞こえていませんでした。それでも彼は、期待される役をそつなく演じ続けます。
子どもの頃から信者の悩みを聞く立場に置かれ、泣きながらすがってくる大人たちを、心のどこかで哀れみながら眺めていた。童磨にとって教団は、幼い頃からずっと「つまらないもの」でした。
虐待されたわけでも、貧しかったわけでもありません。ただ、本当の自分を誰にも見てもらえないまま大人になった。ここが童磨の過去の、いちばん恐ろしいところだと思います。
童磨の過去②|両親の最期に何も感じなかった
童磨の父は、信者の女性に次々と手を出すような人物でした。それに耐えかねた母は、父を刺し殺し、自らも毒を飲んで命を絶ちます。信憑性ラベル:公式確定
目の前で両親を同時に失うという、あまりに凄惨な出来事。それでも童磨の胸に浮かんだのは、悲しみでも怒りでもありませんでした。
部屋が汚れてしまう。換気をしなければ。──その程度のことしか感じられなかったのです。
両親の死後も、童磨は何事もなかったかのように教祖を続けました。感情がない自分を隠すため、彼は「明るくて優しい教祖」を演じ続けます。作中で見せるあの笑顔は、子どもの頃から練習し続けた仮面だったわけです。
童磨の過去③|20歳で鬼になった
童磨が鬼舞辻無惨と出会い、鬼になったのは20歳のときです。原作第163話で明かされています。信憑性ラベル:公式確定
ただし、無惨がどうやって童磨を知り、どんな言葉で誘ったのかは、本編でも公式ファンブックでも語られていません。上弦の鬼の中で、鬼になった経緯がはっきりしないのは童磨だけです。
分かっているのは、感情のなかった童磨が、無惨との出会いには心を動かされたということ。以来、万世極楽教が崇める神は無惨になりました。
人を喰うことが「救済」だという考え
鬼になった童磨は、信者を喰うようになります。しかも本人は、それを悪事だと思っていません。
苦しみながら生きる人間を、自分の一部にしてやれば永遠になれる。だからこれは救済なのだ──。悪意ではなく善意のつもりで人を喰う。童磨の怖さは、まさにここにあります。
胡蝶姉妹と伊之助|三人分の仇
童磨は、主要人物の中でも特に多くの人の運命を狂わせた鬼です。信憑性ラベル:公式確定
胡蝶カナエを殺した鬼
しのぶの姉であり、花柱だった胡蝶カナエ。彼女の命を奪ったのが童磨でした。姉の仇を討つため、しのぶは自分の体に毒を仕込むという常識外れの方法を選びます。
伊之助の母・琴葉も喰われていた
さらに、伊之助の母・琴葉も童磨の犠牲者です。琴葉は夫の暴力から逃れるため、幼い伊之助を連れて万世極楽教に身を寄せていました。
助けを求めてきた女性を、童磨は喰ってしまいます。伊之助が生き延びたのは、琴葉が我が子を崖から落として逃がしたからでした。
助けを求めた先が、いちばん危険な場所だった。この救いのなさが、童磨という鬼の本質を表しています。
童磨に本当に感情はなかったのか
ここからは考察です。信憑性ラベル:考察
公式ファンブックには、童磨に感情がないという趣旨の記述があります。一方で、無惨との出会いには感動したとも書かれています。まったく何も感じない存在だったとは、言い切れません。
そして無限城での最期。しのぶの毒とカナヲ、伊之助の攻撃によって追い詰められた童磨は、消えていく瞬間に、自分がしのぶに恋をしていたことに気づきます。生まれて初めて芽生えた感情が、自分が殺そうとした相手への想いだった。
生まれつき感情がなかったのか、それとも「神の子」を演じ続けるうちに感情を封じてしまったのか。読者の間でも意見が分かれるところです。筆者は後者だと感じています。誰にも本当の自分を見てもらえなかった子どもが、感情を持つことをあきらめた物語に見えるからです。
猗窩座との違い
同じ上弦の鬼でも、猗窩座と童磨は正反対です。
| 猗窩座 | 童磨 | |
|---|---|---|
| 人間時代 | 大切な人を失い続けた | 大切なものが何もなかった |
| 鬼になった理由 | 復讐と絶望 | 本編では語られていない |
| 記憶 | 失っても心に残っていた | 失うほどの想いがなかった |
| 最期 | 人間の心を取り戻した | 初めて感情を知った |
猗窩座が「失ったものに縛られた鬼」なら、童磨は「最初から何も持っていなかった鬼」です。だからこそ、他の上弦の鬼たちからも嫌われていたのでしょう。
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よくある質問
童磨は何歳で鬼になったのですか?
20歳のときです。原作第163話で明かされています。ただし、無惨と出会った経緯は語られていません。
万世極楽教とはどんな宗教ですか?
童磨の両親が営んでいた新興宗教です。穏やかに楽しく生きればよく、つらいことや苦しいことはしなくてよい、という教えでした。
童磨はなぜ他の上弦の鬼から嫌われていたのですか?
常に笑顔で相手に調子を合わせる一方、場の空気を読まない発言も多く、上弦の鬼が集まった場面でも浮いた存在として描かれています。
童磨は伊之助とどんな関係ですか?
伊之助の母・琴葉を喰った鬼です。琴葉は夫の暴力から逃れて万世極楽教に身を寄せていました。
まとめ
- 出自:万世極楽教の教祖夫妻の子(公式確定)
- 幼少期:神の声が聞こえる子として祭り上げられたが、実際は何も聞こえていなかった(公式確定)
- 両親の最期:母が父を刺し、母も毒を飲んだ。童磨は何も感じなかった(公式確定)
- 鬼化:20歳で無惨と出会い鬼に。経緯は不明(公式確定)
- 感情:最期にしのぶへの想いに気づく(公式確定)/もともとなかったのかは意見が分かれる(考察)
笑顔のまま人を喰い、最期に初めて泣いた鬼。童磨の物語は、感情を持てないことの怖さと、持ってしまうことの痛みを同時に描いています。無限城編を見返すときは、あの笑顔の下にある空っぽさにも注目してみてください。
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